鈍器 |
皮下出血 |
生存中の挫傷は皮下出血がある。死後は血圧が無いため出血しない。新しければ該当部分は腫れあがり出血部は青色になり、その後褐色、緑色、黄緑色(約6日)黄色(約8日)と経ていく。壊血病、血友病、紫斑病等は少しの外力で出血するときがあり、皮下出血を死斑と間違う場合がある。 |
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表皮離脱 |
擦りむけ。死後、死体を引きずったり運ぶ際に皮膚が擦りむけることがある。しかし、出血は伴わない。 |
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挫創、打撲創 |
凶器が鈍器。皮膚が裂けて表皮がつぶされ、創口は小さくとも創洞が内に広がり創縁が不規則。歯で噛まれた傷は咬傷。 |
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裂傷 |
鈍器による裂けた傷。患部の下に骨があって筋肉や脂肪がない部分を強打した場合。頭部の裂傷は切創と間違いやすい。 |
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内臓破裂 |
高層部からの落下、車による跳ね飛ばしなど。破裂しやすいのは肝臓、腎臓、脾臓。胃、腸、膀胱は内容物が有れば破裂するが空時は破裂しない。 |
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内臓転移 |
車による轢死 |
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脳震盪 |
頭部を強打。程度の差は意識消失、嘔吐、脈の遅延の順。軽い場合は30秒から数分の意識喪失。重い倍委は数時間から10時間。強度は数日から数週間。 |
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脳挫傷 |
外力により脳挫傷。大部分が外力の掛かった反対側の脳みそに挫滅が生じる。 |
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脳圧迫 |
頭部打撃の場合の多くは脳内血管の破裂、出血で死亡。血腫による脳圧迫は受傷後1〜2時間後に症状があらわれる。頭痛、顔面の赤み、瞳孔の縮小、吐き気、脈拍低下の症状。脳圧迫の過度の経過は麻痺状態、眠気、体の不調、意識消失、眠り、呼吸困難、、、、心臓停止。 |
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轢死 |
電車、車等にひかれた場合。身体の切断、内臓破裂等。生体の生活反応で判断。 |
有刃器 |
切創 |
刃物での損傷。創縁を合わせると一直線になる。致命傷は動脈。頸部が多い。動脈の太さで死亡時間の経過が違う。 |
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割傷 |
斧、鉈などを打ち下ろした時に出来る。切創よりも傷口が大きく開く。創洞が深い。 |
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刺傷 |
皮膚表面の創口が小さいのに創洞が深い。 |
銃器 |
射創 |
銃器による傷。射創には貫通射創(弾丸が突き抜けた)、盲管射創(弾丸が体内に残っている)、擦過射創(表面をかすった)、溝状射創(表面に溝状の傷を)、反跳射創(速力が衰え皮膚で止められ内部に入らない)、廻旋射創(弾丸が体内で骨部の抵抗によりそこを迂回していく)などの種類がある。 |
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射入口 弾丸 |
皮膚は弾丸が当たると皮膚の弾力ためへこみ、限界を越えると裂け跡が残ることになる。円形、類円形、破裂状などの形になる。突き抜けた跡は弾丸で擦れるため輪状の円形。死体では黄褐色。挫滅輪という。挫滅輪と火薬の黒煙や軟鉛弾の跡と混同されるので注意。創口の大きさは弾丸の通り抜けた跡は縮むため弾丸の太さより小さくなる。皮膚の近くで発射されると爆発ガスのせいで創口は星形に破れ弾丸の大きさよりも大きくなっている。 |
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爆発ガス |
皮膚に付けて撃つと爆発ガスのために射入口の組織は吹き飛ばされ弾丸の通過の時に出来た挫滅組織の一部が内部に入り込み創口部の皮膚はガス圧のために破られ直線状の星形の創口が出来る。 |
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熱 |
爆発の時の火焔により焼痕が出来、皮膚や衣類が焦げる。無煙火薬を使用する口径7.65mmの銃の場合、火焔の作用は1〜2メートルぐらいまで認められ、5メートル離れると見られない。 |
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煤煙、火薬粒 |
近射の場合、火薬の爆発による煤煙が付き、射入口の周りは黒く着色する。これは拭けばとれる。銃口が離れれな離れるほど着色は薄くなる。火薬粒の銃では50センチまでの距離だと未燃焼、半燃焼の火薬粒が付着する。 |
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火薬 |
銃の発射側では手や衣類に火薬痕が付く。火薬痕を白磁の皿に取り2、3粒のジフェニルアミン、数滴の濃硫酸を加えると火薬で有れば亜硝酸反応で青緑色になる。 |
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射創管 |
弾道。普通は直線状。迂回する廻旋射創時は弾道も迂回している。 |
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射出口 |
弾丸の出口。弾丸とともに射出された破壊された骨とか軟部組織、衣類片、金属片などの異物が付くことがある。死体では射出口は乾いて挫滅論に似たように見えるので注意。 |
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死因 |
射創による死因は失血か内臓の機能障害。頭部や心臓などはそれだけで致命傷になる。 |
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弾丸検査 |
銃が有れば同一銃器からの弾丸は同一の傷痕が出来る。 |