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 「ぺりー・メイスン・シリーズ」 TVでお馴染みでしたから、ちょっと小馬鹿にしたような部分も無きにしもあらずでしたが、これが読んでみると以外と面白いです。ちゃんと最後には落としますしそれなりのスリルとサスペンスもあります。定番の法廷場面は最高ですね。一度はまると止められません。

 「アクロイド殺人事件」 古典を読みたい方、アガサ・クリスティーはいかがでしょうか?。私の国外古典のきっかけになったのが「アクロイド」です。古典を読むなら押さえておきたい作家は読んだつもりですが数を読んだのはクリスティとエラリークイーンでした。どちらもお気に入りの作家です。翻訳物は読み始めると分かると思いますが翻訳家に左右される事が多いです。お気に入りの翻訳家が出てくる始末で、翻訳家で本を選んでしまう事もしばしばです。古い作品は出版当時のまま版を重ねているものが大部分でしょう。現在、翻訳し直すともっと陽の目を見る作品が沢山有るような気がします。クリスティーの「カーテン」「スリーピング・マダー」はある程度アガサ・クリスティーを読み込んでから読まないと勿体ないです。

[テインカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」のジョン・ルカレ。「寒い国から帰ってきたスパイ」を始め「ドイツの小さな町」や影の巡礼者」と、ジェームス・ボンドを代表するアクション・スパイの軽々しさから離れた、これぞ本物のスパイ、ジョージ・スマイリーの諜報活動はまさにスリルとサスペンスじゃないですか。東西冷戦の舞台はミステリーファンにとっては最高のシテュエイションですね。もちろん冷戦構造のない平和社会のほうが余程良いには違いないですが。

一押し作品を挙げたいところですが難しいのが「宮部みゆき」ですね。ファンも多いと思いますが、ご多分に漏れず私も大ファンです。文章力は群を抜いています。作者の自己満足でしかないシーンに合わない無意味な詩的表現や過大な装飾など無く構成力共々安心して読んでいられるのは平坦でいながら言葉が選び考え抜かれた文章力のおかげでしょう。特に時代小説には女流作家を忘れさせる(女流作家ならではかも知れませんが)表現力があります。どんな作品から入っても間違いないと思います。

東野圭吾の「秘密」は映画にもなりましたが、これは原作ですね。初期の作品は本格物(あまり使いたくないけど)ばかりでしたが、この「秘密」みたいな本格物にとらわれない作品が読めるのはファンとして嬉しいですね。「片想い」も良かったです。東野作品も宮部作品のように水準以上の甲乙付けがたい作品ばかりで安心してどれでも読めますね。

「OUT」の桐野夏生は素晴らしいですね。「やわらかな頬」も良かったけど、ぼくは「OUT」が好きです。こういうものが日本の社会システムの中で書けるとは思いませんでした。映画を見るような感じです。エンターテイメントです。登場人物の人物像が斬新ですよね。どんな作品でも云えるのですが人物像を描き出すのに文章で(まっ、説明文ですね)安易に描き出す作品が多いのですが、やはりその行動とや台詞で示して欲しいですね。説明される人物像と台詞や行動がミスマッチと思える本のなんと多い事か。桐野夏生はそんな違和感を感じさせずに見事にマッチさせて書ける作家の一人です。

まだ売れ続けているようですね、横山秀夫の「半落ち」。警察を舞台にその組織構造などが密接に絡み合った事件はとても新鮮です。映画等で舞台裏も少しは知識としてあるものの、ここまで詳しく書かれた本って今まで有ったのでしょうか。その組織構造故の事件は事件そのものはシンプルなれどリアルな捜査の舞台裏を描く事によって驚く程ミステリアスでスリルとサスペンスに溢れています。「動機」、「顔」、などどれも見逃せない作品群です。

加納朋子の不思議な世界は一度は云ったら抜け出せませ。ミステリーの闇夜やナイフや死体は必需品じゃ無かったのだと思い知らされます。変わった構成にとまどう事もしばしばですが、それも加納ワールドの大事な要素なんです。飛躍しすぎると思いますが、シャーロック・ホームズがミステリアスな事件など扱わないただの人として生きていたら、その日常生活の中は加納ワールドとそっくりだったかも知れません。まあ、「消えた手紙」なんて作品もありましたからね。私は「ななつのこ」から入ってしまいましたが、何処からでも入れるので気に入った1冊を選んで一度はのぞく価値はあります。

恩田陸、乃南アサ、小池真理子の各氏はいつも目が離せません。本屋で一度はそのコーナーに立ってしまいますね。皆さん、不思議な味を出しています。コーヒーで云うなら決してアメリカンじゃないです。気楽な旅のお供の一冊とするには少し重すぎるかも知れません。乃南アサ、小池真理子は短編が好きです。
2003.2.12 改
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